食のバリアフリー

beyond2020

この取組は、内閣官房東京オリンピック・パラリンピック推進本部事務局の委託により、「平成30年度オリンピック・パラリンピック基本方針推進調査に係る試行プロジェクト」として実施されています。 また、2020年に向けた機運を盛り上げるとともに、2020年以降のレガシーを創出する「beyond2020プログラム」に認証されています。

2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、これまで以上に多くの外国人観光客(インバウンド)が見込まれます。その中にはハラルやベジタリアンなどの食の規律や制限を持った方も大勢います。また、近年増えているアレルギーを持った方への対応も必須となっています。

ところが、各地の飲食店などの外食産業においては、それらの対応が十分には進んでいないのが現状です。
「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録され、世界中で日本食に注目が集まっており、日本に訪れる外国人観光客の中にも健康的でおいしい日本での食事を楽しみにしている人は増えつつあります。ところが、上記のような多様な外国人の食環境に対応できないでいるために、食に制約のある人が十分に楽しめないという状況に陥っています。

食の多様性と、高い調理技術が普及している日本では、すでにムスリムやベジタリアン、アレルギーをお持ちの方でも食べられるような料理を提供している店もあります。ただし、使用している食材の表示が十分ではなく、現場スタッフの知識も乏しいため情報がうまく伝わらず、「どれを選べばいいのかわからない」「出てきた料理を食べてよいかがわからない」と悩んでしまう人も少なくありません。これが日本における「食のバリア(障壁)」なのです。

そこで、料理に使用している食材をわかりやすく表示し、お客様が自分で選べるような表示方法を普及させる「食のバリアフリー化」をめざすことにしました。これを活用して、より多くの方に日本の美味しい食事を楽しむ機会を増やしてもらおうという取り組みです。

2018年中には北海道、山形県、宇都宮市、長野県大町市、福井市、長崎県ハウステンボス、沖縄県糸満市の7地域においてセミナーや研修を行い、「食のバリアフリー表示」の取り組みを実践してきました。
結果的には食のバリアにある人からは非常によい評価をいただいた他、バリアのない人の多くの方からも、店舗や地域へのイメージアップにつながる好印象を得ることができました。

今後、多くの地域や事業者、店舗で食のバリアフリーに取り組んでいただき、日本全国での観光消費の向上、そして地域活性化につながることを切望しています。